非正規雇用の問題を解決しなければ、日本の将来は暗澹たるものになる

労働衛生一般
大村大次郎 日本の絶望 ランキング集

先日、非正規労働者の待遇改善となる無期転換ルールについて書いたが、下記は大村大次郎氏「日本の絶望 ランキング集」(中公新書ラクレ)からの引用である。これは、日本の政治経済状況を知るのに、なかなか良い本である。お勧め。

“厚生労働省の統計データでは、1989年には非正規労働者の割合が19.1%だったのが、2021年には36.7%となり倍増している。もし日本の非正規労働者という定義で統計を取れば、先進主要国では、おそらく断トツで日本が最大値となるだろう。
 そして日本の場合、非正規雇用者に対する待遇に大きな問題がある。
 欧米先進国では、労働者の権利が強いので、非正規雇用者やパートタイマーであっても、
仕事に応じた賃金がもらえるようになっている。
 たとえばフランスでは、パートタイム労働者の賃金は正規雇用の実に9割と、ほとんど差
がない。ドイツ、イギリスも正規雇用者の賃金の7割程度はもらえる。またアメリカのパー
トタイマーの賃金に関するデータはないが、労働組合が強く、労働者の権利も保護されてい
るお国柄のため、日本より賃金が低いということは考えられない。
 先進諸国では、非正規雇用者でも、正規雇用者とそれほど変わりがない生活が送れるとい
うことである。
 しかし日本の場合、非正規雇用者(パートタイマー)の賃金は、正社員の6割程度である。
非正規雇用者になれば普通の生活ができないのだ。
 日本の経済政策では、近年、大企業の業績を優先させ、非正規雇用を増大させた。その結
果がこの体たらくである。一刻も早く、非正規雇用の問題を解決しなければ、日本の将来は
暗澹たるものになるはずだ。